Beauty & Wellness | COLUMN
「いつまでも元気でいたい」「体も心も軽やかに歳を重ねたい」――そんな願いを、科学が少しずつ叶えつつあります。最新のヨーロッパ共同研究「DO-HEALTH試験」では、ビタミンD・オメガ3・軽い運動という3つの習慣が、細胞レベルで“老化のスピード”を遅らせることを明らかにしました。

私たちの体には、年齢とは別に“生物学的な時間”が流れています。それを測る「エピジェネティック時計(DNAメチル化時計)」という分子マーカーがあり、
細胞のDNAの変化から体の“若さ”を読み取ることができます。
DO-HEALTH試験では、70歳以上の健康な男女777人を対象に、
毎日オメガ3(DHA+EPA 1g)やビタミンD(2,000IU)を摂取し、
自宅での軽い運動(週3回30分)を3年間続けてもらいました。その結果、オメガ3を摂った人では、細胞の老化速度が約3か月分ゆるやかになったという驚きの結果が得られたのです。
https://www.nature.com/articles/s43587-024-00793-y

面白いのは、オメガ3だけでなく、ビタミンDと運動を組み合わせると効果が高まったこと。とくに「PhenoAge(フィノエイジ)」という細胞の健康指標では、3つの習慣をすべて取り入れたグループで老化抑制が最も顕著に。「少しずつ、でも確実に若々しくなる」――そんな未来を感じさせる結果でした。

3か月なんて小さな差に思えるかもしれません。でも、この積み重ねが10年、20年後の健康を大きく左右する可能性があります。海藻や藻類由来のオメガ3は、魚の臭いや重金属の心配も少なく、 毎日の食事やサプリで安心して取り入れられるのも魅力。体の時計に、ほんの少し“余白”を与えてあげる―― そんな意識から、あなたの「未来の健康時間」はゆるやかに流れ始めるかもしれません。
引用論文:
Bischoff-Ferrari, H. A. et al. “Individual and additive effects of vitamin D, omega-3 and exercise on DNA methylation clocks of biological aging in older adults from the DO-HEALTH trial.” Nature Aging, 5(3), 376–385 (2025). https://doi.org/10.1038/s43587-024-00793-y