Beauty & Wellness | COLUMN
私たちの肌は、紫外線や乾燥、大気汚染などの外的刺激によって、毎日少しずつダメージを受けています。傷ついた細胞や不要になった細胞を放置すると、慢性的な炎症が起こり、コラーゲンの分解やシワ・たるみなどの肌老化を招く一因となります。
このような不要物を取り除き、肌の健康を維持しているのが免疫細胞の一種であるマクロファージです。マクロファージは異物や細胞の残骸を貪食するだけでなく、炎症を収束させ、組織の修復を促す重要な役割を担っています。近年では、このマクロファージの機能を維持することが、肌の健やかさやエイジングケアにおいても重要であると考えられています。

近年の研究では、DHAとリノール酸を適切な割合でマクロファージに作用させることで、オートファジーと呼ばれる細胞内の不要物を分解・再利用する仕組みが活性化されることが報告されています。この研究では、マクロファージが黄色ブドウ球菌をより効率よく除去できるようになり、オートファジーが促進されていることが示されました。
この結果は、DHAが単に抗炎症作用を示すだけではなく、マクロファージ本来の「掃除する力」を高める可能性を示唆しています。

今回の研究は感染症を対象とした培養細胞レベルの基礎研究であり、DHAが直接肌老化を改善することを示したものではありません。しかし、加齢した皮膚では老化細胞や細胞の残骸が蓄積し、慢性的な炎症が生じることが知られています。マクロファージの浄化機能が維持されれば、これらの不要物の除去や組織修復が促され、肌環境の健全化につながる可能性があります。
今後は、DHAそのものの作用に加え、DHAを豊富に含む微細藻類由来エクソソームなどの新たな機能性素材が、マクロファージを介した肌のエイジングケアへ応用されることも期待されています。
参考文献:
Effects of the linoleic acid/docosahexaenoic acid ratio and concentration inducing autophagy in Raw264.7 cells against Staphylococcus aureus